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「植物仲間インタビュー企画」*花で楽しむ山の幸染め~株式会社ハピネス隆久昌子さん~

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山の幸染めってご存知ですか?

この言葉を聞いた第一印象は「素敵なネーミングだな♡」ということでした。

今回お会いした隆久昌子さんは、この山の幸染めの開発者であり指導者。

現在全国に3000人近い資格取得者を育成し、趣味で楽しむだけでなく教育や福祉、国際協力など社会に役立つ活動を続けている「NPO法人山の幸染め会」の代表でもあります。

なんだかスケールが大きい!

ちゃんとお話を伺うことができるかな~とワクワクドキドキしながら、神楽坂の本部にお邪魔しました。

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まずこちらをご覧ください↑

このスカーフに染められた花や葉っぱは本物を押し花にし、型として使用しているのです。

葉っぱの葉脈やつるの動きがとってもいい表情を出しています。

微妙な色のグラデーションも素敵。

これがアイロンひとつでできるって信じられますか?

私の頭の中で染物というのは染料を溶かした液に布をつけて、ムラにならないようにかき回し、染まったら大量の水を使って洗い流すというイメージ。

ところがこの山の幸染めはアイロンひとつでしっかり染まり、繊細な表現も可能。

要するにシンプルな作業で無限の表現作品ができるのです。

これは学びたい人が多いということが理解できます。

しかも仕上がったものは軽くて持ち運びもラクとくれば、たくさんの人が興味を持つ要素がすべてそろっていますよね。

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隆久さんの開発した幸染めは日本古来の伝統技法をもとに型や切り絵や手描きで柄を染めていくというもの。

なかでもこの山の幸染めは、自然の花や草を押し花にして用います。

本物の植物を使うことで、作品がなんだか命を吹き込まれたように優雅でしなやかな雰囲気をかもし出すのだと確信。

これが造花だったら、いかに本物に見えるものでもおそらく平坦な仕上がりになってしまうでしょう。

「新鮮な花を新鮮なうちに押し花にするととっても美しい仕上がりになります」と隆久さん。

やはり植物のエネルギーを取り込むことが作品の魅力につながっているんですね。

花の生命エネルギーを作品にいかすというのは、私たち花の仕事に携わる者にも非常に通じるところを感じます。

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そもそも隆久さんが山の幸染めを世間に広めていこうと決心したのが60歳になった時でした。

普通60歳は停年で、そこから先は「老後」というのが一般的な感覚です。

しかし、「あれ?60って言っても思ったより元気だわ^^」と。

今まで研究を重ねて開発した毒性のない安心安全な染料を使い、クリエイティブな喜びをたくさんの人に知ってほしいと「山の幸染め研究所」を創立。

以後、すさまじい勢いで全国に教室が広がり現在では中国・韓国・タイなどでもインストラクターが育っているのです。

もちろん、60歳でいきなり始めたわけではありません。

40歳の時に偶然スイスの染料会社の失敗から水を使わずに染める方法を知り、「これだ!!」と閃いてから20年間いろんなことをやりつつ染料開発に取り組んでいました。

40歳から60歳までの20年間、化学の発達により安全な染料を開発することができ、アイロンで気化させて繊維の奥深くに浸透結合させる乾式染法を確立し、と、長い時間をかけて確実に根っこの部分を整えていった努力が幸染めにつながっているというわけです。

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とりわけ素晴らしいなと感じたのは、NPO法人山の幸染め会を設立し、資格取得者やインストラクターの方々が社会に広く貢献できる場をつくっているということです。

習って使って楽しむのもいいのですが、せっかく身につけた技術を誰かのために生かすという仕組みを作っているところに意識の高さがうかがえます。

たとえば、昔ならいたるところで見て触れることができた自然とのかかわりあいが、今では花ひとつとっても商品として買わなければならないモノとなっています。

「子供の時に日本人のもつ美しいという感覚を伸ばすべき」と考えた隆久さんは、本部のある神楽町界隈の小学校などにアプローチ。

現在ほとんどの小学校で幸染めを通して区や町の花や木の名前を覚えたり、自然の仕組みや四季の美しさを学ぶ体験活動を行っているとのこと。

また、インバウンドで日本に訪れた外国人の体験受講者も増え、言葉を超えて感性を共有しあえるという国際交流にも貢献しているのです。

数々の活動分野がありますが、中でも今一番気になっているのが福祉分野。

障がい者の施設で体験してもらったとき、作品が出来上がるにつれ目の輝きがどんどん違ってきたことでこの分野での幸染めの可能性を感じ、ぜひ作業所などで取り組んでもらえたらと目下取り組み中です。

↓「高齢者のアクティビティグッズ2004~2005」監修・東北大学教授川島隆太(学研研究社より)

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高齢者福祉施設のデイサービスでは幸染めが脳の活性に非常に役立っているとのデータも出ています。

これを見ると、幸染めのハピネスカラーマットを使った作品作りでは前頭葉、頭頂葉ともかなりの高レベルで脳の活性が見られます。

ちなみに工作・手工芸のなかでは一番の効果でした。

単に指先を使うというだけでなく、美しいものを作っているという喜びや自然の植物に触れているという安心感がいい意味で脳の刺激になっていると言えます。

花屋さんのアイテムのひとつにも

山の幸染めは花や草を押し花にして作るのですが、花屋さんのレッスンアイテムとしてもこれはいいかも。

アレンジやブーケ作成のレッスンはお店の花をたくさん使うので営業的にも正しいと思うのですが、それに加えてストールやコースターなど作品として使えるものを植物つながりでレッスンに加えてみると、お客さんとまたひとあじ違ったコミュニケーションが生まれるような気がします。

教えるにはインストラクター資格が必要なのでちょっとハードルが高いなと思う場合は、出来上がった作品をお店の販売アイテムとして取り入れるのもありかも。

花屋さんもこれまでのように花を売るのが仕事ではなくなりつつある時代です。

「モノではなくコトを売る」とよく言われますが、モノである花を介してどのように自分のお店ならではのコトとしてお客さんを呼ぶか。

そのひとつのきっかけとして植物つながりだけど全く別のアプローチができるこの山の幸染めグッズは、取り組みようによっては花屋の世界を広げることになるかもしれないなと感じたのでした。

見るだけでも楽しい♫著書はこちら

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花でたのしむ山の幸染め 隆久昌子著 

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やさしい山の幸染め 隆久昌子著

インタビューを終えて

人の縁とは不思議なもので、「素敵な人に会いたい!」と思っていると本当に会えるんですね。

この、植物仲間インタビュー企画をはじめたのが、そもそも「素敵な人に直接会って話を聞きたい」という気持ちからでした。

今回の隆久昌子さんは、以前インタビューさせていただいた葉っぱビジネスの横石さんからのつながりでお声がけいただいたのがきっかけ。

「魅力的な人というのはこういう雰囲気をまとっているんだな~」と初めてお会いしたときに感じました。

そしてお話を伺っていても、その内容の広さと深さと豊かさにある意味感動さえ覚えてしまったというのが正直なところ。

今この原稿を書いていてもインタビュー時のことを思い返すと、これから世界が広がっていくかもしれないという希望のようなものが胸にぽっと現れて、しばらく忘れていた感覚がよみがえってきています。

広告など集客のためのマーケティングなど一切せず、全国はおろか海外にまで資格取得者を大勢育成している謎がわかったような気が。

小手先の方法やスキルだけではこうはいきません。
この求心力は隆久さんの思いのエネルギーなんですね。
それをずっと持ち続けて発信し続けているということがすごい。

これから花の仕事を通じていろいろとかかわらせていただけるよう、私も精進せねば~^^

幸染めホームページ
http://www.sachisome.com/

講座・体験会はこちらです
http://www.sachisome.com/guide/

お問い合わせ
電話  03-3260-8611
メール http://www.sachisome.com/contact/

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