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有松絞り~400年続く伝統の手仕事~竹田昌弘さん「植物仲間インタビュー企画」

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8月も終わりに近づいた30日。

前日から名古屋に来ていた妹と私。
真夏の炎天下の中、常滑巡りをした後有松へ。

有松は前からその独特の絞り染めが好きで、一度は行ってみたいと思ってました。

ひょんなことから有松で一番古い伝統を持つ「竹田嘉兵衛商店」の
会長の甥御さん、竹田昌弘さんに色々とお話を伺うことができたのでした。

「竹田嘉兵衛商店」

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うろうろ色々歩いて、ちょっと別の道に入ったところで
「え?すごい古い家ちゃう?」

かなり広い敷地にものすごく歴史を感じる木造家屋が。

なになに、「竹田家住宅」?
え?市の指定文化財なんだ。
すごい~~。

 

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入れるのかなとのぞいてみると、どうやら中は呉服を販売している感じ。

ちょっと見せて頂きましょうよ♪ ということで二人で中へ。

どうやら、有松絞りの超有名な「竹田嘉兵衛商店」という会社でした。
有松絞りの手ぬぐいやポーチなど、小物が並んでいるその向こう側(奥の方)には
総絞り(もちろん有松)の振り袖が沢山展示されていました。

そのときはただ、お店を見せて頂いているというシチュエイションだったので
写真を撮っていないのがちょっと残念。

 

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しばらくすると、にこにこと笑顔をたたえた若い男性が「有松絞りにご興味ありますか?」と。

この時竹田さんに話しかけられなかったら、いろんなお話を伺うこともなかったかも。

少し話して、実家が徳島だというと、染めを藍染めで頼むときは必ず徳島の藍工に出しているという話に。
私は知らなかったのですが、妹がよく知っている藍染め作家みたいで、そこから話が続々と。

「この広いお屋敷には実際にお住まいなんですか?」

から始まって、お屋敷を見せて頂くことに。

奥の床の間に飾られている掛け軸は、その昔、民芸運動で活躍した
河井寛次郎の下絵とのこと。

柳宗悦らと共に、この、竹田家で寄り合っていたことがあったんですって。

 

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中庭はしっかりと日本庭園。

真夏の日差しの超強いときだったので、緑がなんだか猛々しいですね(笑)

あまりの暑さにそそくさとその先の倉を拝見することに。

 

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倉の中。

この掛けてある着物も絞り染めなんです。
絞りというと、右側にちょっと見えてる鹿の子柄みたいなのはよく知っていますが
こんなモダンな染め方もあるんですね。

竹田さんに伺うと、今ではこの絞りの技術ができる職人さんが一人しかいなくて
しかも後継者がいないので、もしかしたら絶えてしまうかもしれないと。

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この、ひものようなものは、絞った反物です。
糸できつくきつく締め上げて柄を作っているのです。

実際目の前で見ると、気の遠くなるような手作業の繰り返し。
若い職人さんが少ないというのも頷けました。

根気のいる仕事にもかかわらず、これだけでは生活が成り立たないという現実。
はあ~。。

「私たちが着物を売ることによって、職人が仕事が増え、技術が保たれるんです」
と竹田さん。

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これは帯なんですが、柄のところに有松絞りの反物を織り込んでいるのです。

そういった使い方もあるんだ。

そういえば、入ったばかりの展示商品には絞りの技術を生かしたブラウスや
ワンピースなど洋服もありました。

形を変えることによって技術が継承されるのなら、他にも生かせる道があるかもしれませんね。

でもな~。。
やっぱり素敵だなと思うものは着物なんですよね。
着物に仕立てたときに、この有松絞りの柄の良さが生きてくると言うか。

 

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倉の中でかなり沢山のお話を伺って、その後隣の倉も案内して頂きました。

中をリフォームしてあって、グランドピアノなんかもおいてあって、
ちょっとしたコンサートやパーティができるようになっていて、
個展会場などに利用することもあるそうです。

街のコミュニケーションスポットとしても機能しているということですね。

日常になじんでいる歴史

このあと、お屋敷の中のお茶室に。
写真がないのが残念なのですが、にじり口ならぬ貴人口のお茶室です。

というのは、ここは東海道なので参勤交代の時など身分の高いお殿様や奥方様が
竹田家にてお休みしていたということで、そのような方々にお茶を点てる場合は
にじらせられませんから立って入れるようにということなんですね。

しかも、幕末には勝海舟や徳川家茂もこのお茶室で一服したとのこと。
実在の歴史上の人物と同じ空間に、しかもこんな狭い場所でリアルにいるなんて。

幕末の小説や歴史の教科書などで活躍している人物が
私たちが今ここにいる場所に座っていたと思うと。。。
なんだか写真を撮る気にならなかったんです。

東京で再会

というわけで、
偶然とはいえ濃いお話を伺うことができてホントに感謝。

その後、9月に伺った銀座での展示会で再会。
一緒に行ったのが友人の着付けの先生。

これがまた超偶然にも、この、竹田さんとこの「笹加」(屋号)のお得意様だったのでした。
なんだかつながってる。

竹田さんが言うとおり、伝統の手仕事を続けていくためには買わなきゃいけないんですよね。
お金が回れば技術も継続していく。

しっかり仕事してしっかり稼いで
いいものを買えるようにがんばろ~~~^^v

 

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